マンチェスター・シティに財政危機か、降格なら年間5億ポンド超の損失も

TEAM TALK

シティに「年間5億ポンド超」の損失予測

マンチェスター・シティがプレミアリーグから降格した場合、トップリーグ不在のシーズンごとに5億ポンド以上の巨額な収入減に直面する可能性がある。サッカー財政の専門家キアラン・マグワイア氏が警鐘を鳴らしている。

シティは現在、プレミアリーグ史上最大級の財務問題に直面している。2009年から2018年までの9年間にわたり、財務上の不正に関する114件の規則違反で有罪とされ、複数の「偽装取引」を通じて収入を約9億ポンド水増ししていたと判断された。

ただし、公平性の観点から付け加えると、シティは現在も無罪を主張しており、すでにこの判断に対する控訴を申し立てている。

プレミアリーグは今後、ポイント剥奪、プレミアリーグからの降格、EFL下部リーグへの降格、さらに数百万ポンド規模の罰金など、処分を検討することになる。

テレビ放映権だけで年間2億ポンド超を失う可能性

降格した場合、最も大きな打撃の一つとなるのが放映権収入だ。

2025年6月30日までの最新決算によれば、シティの放映権収入は2億7860万ポンドだった。しかし、チャンピオンシップへ降格した場合、パラシュートペイメントを含めても約5000万ポンドまで落ち込む可能性がある。

今季チャンピオンズリーグを制覇すれば、翌シーズンも同大会に出場する権利を得られるため、損失の一部を補うことは可能だという。

それでも、欧州大会への出場権を失った場合、放映権収入だけで約2億2500万ポンドの減少に直面すると見積もられている。

ファンは残るも高額な法人席に大打撃

試合日の収入も大きく減少する可能性がある。シティは2024/25シーズンに7510万ポンドの試合日収入を計上しているが、マグワイア氏はチャンピオンシップへ降格すれば3000万~4000万ポンド減少すると予測している。

一方で、ファンの支持については大きな問題にならないと同氏は見ている。

「シティのファンはスタジアムに来続ける。それは問題ではない。ウェストハムでも見てきた。降格しても、熱心なファン層は残る」

ただし、問題は高額な法人向けサービスだという。

「シティが苦戦するのは、ボックス席や特別体験、トンネルクラブを現在と同じ価格で販売することだ。スウォンジーとのホームゲームで、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルとの試合と同じ収入を期待することはできない」

シティの最高級法人向けパッケージ「トンネルクラブ」は大きな収益源となっており、10月17日のイプスウィッチ戦では1人870ポンドの価格が設定されている。

スポンサー収入にも深刻な影響か

最大の収入減となる可能性があるのが、スポンサーを含む商業収入だ。

2009年から2018年までの期間について、シティが記録したスポンサー収入は9億4994万ポンドだったとされる。しかし、プレミアリーグは実際には1億1925万ポンドだったと判断しており、約8億3000万ポンドが水増しされていたとされた。

一方、2018年以降の期間は今回の調査対象ではなく、シティは2024/25シーズンに3億4040万ポンドの商業収入を得たと発表している。

しかし、プレミアリーグや欧州大会から離れれば、この商業収入も大幅に減少する可能性がある。

「例えばエティハド航空が、チャンピオンシップにいるマンチェスター・シティに同じ金額を支払うのか。それはエティハド航空に聞かなければならない」

「他のパートナーも離れていく可能性があると思う」

マグワイア氏によれば、チャンピオンシップのクラブの平均的な商業収入は1000万~2000万ポンド程度。リーズ・ユナイテッドがチャンピオンシップにいた時でさえ約3000万ポンドの商業収入を確保できれば非常に高い水準だったという。

チャンピオンシップでは給与総額が維持不能

さらに深刻なのが、選手たちの給与だ。

2024/25シーズンのシティの年間給与総額は、マグワイア氏の計算で4億840万ポンドに達していた。今夏すでに減少しているものの、チャンピオンシップで維持することは到底不可能な水準だ。

2部リーグでは、SCR(Squad Cost Ratio)の規定により、クラブは認められた収入の85%までを選手や監督らの関連費用に充てることが認められている。

「大規模な選手流出がなければ、FFPの大惨事になる」

マグワイア氏はそう警告している。チャンピオンシップの平均給与総額は約3700万ポンドにすぎない。

2024/25シーズンに給与総額が5000万ポンドを超えていたクラブも、リーズ、バーンリー、サンダーランドの3クラブだけだった。最も多かったリーズでも1億270万ポンドだった。

ハーランドら高給選手の残留も困難に

現在のシティの給与水準がいかに突出しているかは、アーリング・ハーランドの年俸を見ると分かる。

報道されている週給52万5000ポンドを基にすれば、ハーランドは年間2700万ポンドを受け取っている計算になる。この金額はプレミアリーグ外では維持できないとみられている。

さらに、エンソ・フェルナンデスの1800万ポンド、フィル・フォーデンの1600万ポンド、ジェレミー・ドクの1500万ポンド、ジャンルイジ・ドンナルンマの1400万ポンド、マルク・グエヒの1400万ポンドといった高額給与も、現在の条件のまま維持することは難しい。

シティが降格すれば、巨額の収入減と給与負担が同時に襲いかかることになる。クラブは主力選手の放出を迫られる可能性があり、2027年以降のチーム編成にも大きな影響を及ぼす可能性がある。

コメント